泉大津急性期メディカルセンターは、2024年12月に府中病院と泉大津市立病院の再編統合により設立された300床の急性期医療を中心とした地域の基幹病院です。地域医療支援病院として、24時間救急体制をはじめ多様化するニーズに応え、「愛の医療と福祉の実現」「地域と職員と共に栄えるチーム」「Yu・ki・to・do・ku ゆき届いたサービス」を理念として、患者さんや地域医療機関にとってより安心・信頼できる医療を提供しています。府中病院では、初期臨床研修制度が始まって以来、200名以上の初期研修医を育成してきましたが、当院はその府中病院で培ってきた質の高い臨床研修を継承しつつ、新たに加わる診療科も含めたより良質の臨床研修を目指しています。
われわれが目指しているのは、確かな知識と技術を持ち、そして患者さんを全人的に診ることのできるモラルのある医師を育成することです。そのためには基礎となる初期臨床研修が非常に重要と考えており、病院をあげて取り組んでいます。有意義かつ快適な臨床研修を受けていただくためには、1.綿密な研修プログラム 2.充実した指導体制 3.豊富な症例数 4.快適な研修環境 が不可欠です。
1.綿密な研修プログラム
当院の研修プログラムは、研修医の自主性を尊重し、可能な限り自由度を持たせつつ、2年間を通じて豊富で幅広い知識と経験を得ることができる内容となっています。
幅広い分野における基本的臨床能力を習得することを目的として1年目の研修プログラムは内科系6ヶ月・外科系3ヶ月および救急部門3ヶ月を基本研修科としています。
2年目は小児科、精神神経科、産婦人科、および僻地医療をふくめた地域医療を必須科としていますが、残りの8カ月は自由に研修科を選択していただけます。それぞれの診療科を研修する中で、チーム医療の中心となるコーディネーターとしての役割を発揮できる能力や、医師としてのコミュニケーション能力、そして患者様とその家族の抱える様々な身体的・心理的・社会的問題を認識・判断し、問題解決を図ることができる能力の基盤を獲得することを目指します。
2.充実した指導体制
当院では7年目以上の常勤医が88名でそのうち指導医養成講習会を受けた指導医が50名と各科に経験豊富な指導医が揃っています。これら指導医が行うモーニングレクチャーでは、各診療科で必要とされる基礎知識の整理や最新の知見を学ぶ事ができます。また、研修医の要望に応じたCV挿入、挿管、縫合などのスキルアップ講習会の開催や、定期的症例発表を通して、プレゼンテーションのスキルアップ指導が行われます。医師のみならず看護、コメディカルを含め病院全体で熱意を持って研修医の養成にあたっています。
3.豊富な症例数
当院では2次救急病院として年間約6000件の救急搬送があり、Common diseaseの症例が豊富です。
救急部門研修以外にも当直や2年目での初診外来研修を通じて数多くの症例を経験することができます。ただ症例を経験させるだけでなく、指導医による適切なフィードバックを施すことでプライマリーケア能力を確実に身につけることができます。
4.快適な研修環境
当院では各研修医に、個人デスクと電子カルテが使用できるPCを準備しています。医局にはオープンスペースがあり、研修医どうしの情報交換や上級医と気軽に会話できる場として、時には体を休めることもできるくつろぎの空間として使用しています。そこには研修医をサポートするための専属の事務員が3名常在しており、研修がスムーズに行えるようにお手伝いしています。
当院は2024年9月にNPO法人卒後臨床研修評価機構による臨床研修機能評価を受審(更新受審)し、「認定4年間」の評価を受けました。今後もより良い初期研修を提供できるようにさらに努力していきたいと考えています。