泌尿器科
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前立腺がんとは
前立腺がんは世界的に罹患率の高いがんです。
男性のがんの約10%を占めると言われています。一般的には欧米人に多くアジア人には比較的少ないがんと考えられていましたが、生活習慣の欧米化に伴い日本でも増加傾向の著しいがんのひとつとなっています。
前立腺がんは、50歳以上の熟年男性に発生する病気です。
日本のがん罹患数予測(2023年)では、男性で1位となっています。また、前立腺がんには特異的な腫瘍マーカーであるPSAが存在し、MRI画像とエコーで診断し、癌の有無を検出します。
診断方法
PSA (前立腺特異抗原)
前立腺がんをみつける腫瘍マーカー(血液検査)です。前立腺がんの診断や治療の場面に広く利用されます。
- 判定の目安
直腸診(DRE)
肛門から指を入れて前立腺に触れて調べます。
経直腸的超音波診断(TRUS)
直腸に探触子を入れて超音波で前立腺の形や大きさを調べます。
超音波ガイド下前立腺生検
超音波で前立腺を観察しながら針を刺して前立腺組織を採取し、がん細胞の有無を確認する検査です。一泊二日で検査入院します。麻酔は主に腰椎麻酔でおこないます。
MRI/CT
画像で前立腺の周囲のがんの浸潤度やリンパ節転移の有無などを診断します。
骨シンチグラフィー
骨の代謝の状態を観察して、転移の有無を推測します。
治療方法
治療は前立腺がんの病期により異なります。早期には局所療法、進行すると内分泌療法が主体となります。
当院の治療方針は、前立腺がんの手術をおこなううえで、根治性および機能と安全性を兼ねた定型化された手術が行えるよう日々精進しています。
低侵襲手術支援ロボット「ダビンチ」を用いた手術を積極的に取り組んでいますが、その他の治療として患者さん個々の病期(病気の進み具合)、PSA値、悪性度に合わせて、また患者さんの年齢や体力、希望、ご家族の支えなどを考慮して治療選択をおこなっています。
前立腺がんのステージ
以下、病気分類による一般的な治療方法
PSA監視療法
PSA10ng/mL以下で前立腺がんの悪性度が極めて低い、極めて早期な前立腺がんの場合に選択可能です。
手術療法
ロボット支援腹腔鏡下根治的前立腺全摘除術(RALP)
従来の腹腔鏡手術と同じように腹部にいくつかの小さな穴を作り手術医の操作に従って内視鏡・メス・鉗子を動かして手術を行う内視鏡手術支援ロボットです。
ロボット支援下手術についてはこちら
手術時間 | 約3-4時間 |
入院期間 | 約10日間 |
前立腺全摘術
手術時間 | 約3-4時間(体型やがんの病状によって前後する) |
入院期間 | 約2週間(病状によって前後する) |
ホルモン療法(LH-RHアナログ剤・抗男性ホルモン剤等)
前立腺は男性ホルモンと密接な関係がある臓器です。LH-RHアナログ剤・抗男性ホルモン剤などの男性ホルモンを抑えるお薬や注射で治療します。
放射線療法
前立腺に放射線を照射して、がん細胞を死滅させる治療法です。「外照射法」と「組織内照射法」の2つの方法があります。
- 手術に比べて身体的な負担が少ないです。
- 手術が難しい高齢の患者さんでも治療が可能です。
- 痛みなどの症状緩和を目的に行うこともあります。