言語聴覚療法室
紹介・取り組み泉大津急性期メディカルセンター 言語聴覚療法の現場から一覧に戻る

かつて「おづ」と呼ばれた泉州・泉大津。
人情と歴史にあふれたこの街で、私たち泉大津急性期メディカルセンターの言語聴覚士は地域の皆さんの元気と健康を支えるため、日々リハビリテーションに携わっています。
このページでは、
- 言語聴覚士の仕事内容
- 私たちが大切にしていること
- この職場ならではの魅力
できるだけ分かりやすくご紹介しています。
少しでも、わたしたちを身近に感じてもらえたら嬉しいです。
言語聴覚士(ST)とは?
言語聴覚士(ST)は「話す・聞く・食べる」を支える専門職
当院の言語聴覚士は、急性期から多職種と連携し、その人らしい生活につなげる支援をおこなっています。
① コミュニケーション能力を高める支援
言語聴覚士は、「話す・聞く」だけでなく、表情や身振りなども含めた総合的なコミュニケーション能力を支援します。
言語の理解や表現、発声・発音の状態など、一人ひとりに合わせた練習と、ご本人・ご家族への指導をおこないます。
② 高次脳機能を評価・活性化する支援
脳卒中やけがによる記憶力、注意力、判断力の低下は、生活の中で大きな困難をもたらします。
言語聴覚士は、これらの「高次脳機能」を評価し、患者さんが自立した生活を送れるよう支援します。
- 記憶力向上のためのトレーニング
例:短期記憶を補う練習や、情報を整理する課題。 - 注意力を高める課題
例:複数の刺激に同時に対応する練習や、集中力を維持する訓練。
③ 「食べる」楽しみを支援
安全に食事を楽しむためには、口や喉の筋肉が適切に働く必要があります。
言語聴覚士は、摂食・嚥下に課題を抱える方に対し、個別の評価と訓練をおこないます。
- 摂食・嚥下障害の評価
嚥下造影検査を含む多職種連携のもとで、嚥下機能を評価します。 - 安全な食事のための工夫
多職種と連携し食事の形状(トロミ、刻み食など)や食事姿勢の調整を提案し、誤嚥やむせを予防します。 - 訓練と介助方法の指導
嚥下に必要な筋肉を鍛える練習や、安全な食事介助の方法を患者様やご家族に指導します。
言語聴覚士が働くフィールド
こちらが、5階にある言語聴覚療法室 です。
2つの部屋に分かれていて、落ち着いた環境で言語聴覚療法をおこなえるようになっています。
ここでは、失語症の方の発話練習や集中力が必要な課題に取り組んでいただくことが多いです。
病棟のすぐ近くにあるため移動の負担も少なく、スムーズに練習へ移ることができます。
泉大津急性期メディカルセンターの言語聴覚療法室では、失語症・高次脳機能障害・摂食嚥下障害などに幅広く対応できるよう、各種評価用紙・標準化された検査ツール・専門機器を取りそろえ、患者さん一人ひとりの状態に応じた適切な評価とリハビリテーションをおこなっています。
ここでは、その一部をご紹介します。


言語聴覚療法で用いる検査や評価・治療機器
ジェントルスティム
むせやすさや飲み込みにくさがある方に対して、電気刺激を使った「ジェントルスティム」という機器を用いた練習をおこなっています。
のどやあごの筋肉に弱い刺激を与えながら、言語聴覚士と一緒に飲み込みの練習をおこなうことで「安全に食べる力」を少しずつ取り戻していく治療です。
脳卒中治療ガイドライン2021で咽頭部への経皮的電気刺激をおこなうことは妥当であるとされています(推奨度B、エビデンスレベル高)


VF(嚥下造影検査)
当院では、医師・放射線技師・言語聴覚士が連携してVF(嚥下造影検査)を実施しています。
VFは、造影剤を含んだ飲み物や食べ物を実際に飲み込んでいただき、レントゲンで「どのように口からのど、食道へ送られているか」「誤嚥していないか」などを詳しく確認する検査です。
検査結果をもとに、
- 安全な食事の形や姿勢
- 練習の方法
- 誤嚥を防ぐための工夫
などをチームで検討し、患者さん一人ひとりに合った「安全に食べる支援」につなげています。
高次脳機能の検査(SDSA)
当院ではさまざまな高次脳機能の検査をおこないます。
これはSDSAといわれる運転に必要とされる注意力や判断力などの認知機能をみる評価のひとつです。
言語聴覚士は、こうした検査も含めて、いくつかの評価を組み合わせながら状態を確認しています。
なお、これはあくまで急性期における「目安」となる評価です。
この検査だけで運転の可否を判断するものではありませんが、今後のより詳しい評価につなげていくための参考として活用しています。


インタビュー!急性期で働く言語聴覚士に聞きました!
Q:急性期で言語聴覚士として働く魅力はなんですか?
A: 一番は、患者さんが元気になる姿を見られることですね。とくに私は、飲み込むことに課題がある方への介入で、「おいしく食事をとれるようになった」と喜んでもらえたときがうれしいです。
Q:言語聴覚士って、飲み込みや頭の働き、言葉など目に見えないところに介入していますよね。とても難しい気がします。どのように技術を高めましたか?
A: やっぱり経験が大事だと思います。先輩やさまざまな勉強会で学んだことを生かして、自分で考えて介入し、振り返ることが大事だと思います。当院は急性期ではさまざまな疾患の方に対応しておりますので、経験を積むにはとてもよい環境だと思います。
Q:いろいろな技術を高めていくことは、新人のとき大変だったのでは?どのように学びましたか?
A: それは先輩の存在が大きいですね。これでよいか迷ったとき先輩に相談できる環境があるので、安心して経験を積み上げてこられたかなと感じています。
Q:職場はどんな雰囲気ですか?
A: ざっくばらんに相談しやすい環境です。自分の裁量で働けることが魅力です。私は仕事とプライベートの切り替えを意識していて、効率よく仕事をおこない、休日は子育てやテニスを楽しんでいます。
Q:職場環境でここがいいなと思うところはありますか?
A: まず、新しいことや設備が整っているところですね。病棟とST室が近いので、かなり効率的に動けることが魅力です。病棟もすぐ隣にありますから、医師や看護師さんなど多職種との意見交換もしやすいところがいいですね。
言語聴覚士の学びの3つのポイント

① 広い視野
生長会・悠人会の言語聴覚士の特徴は、多様な現場での経験と、広い視野を持っていることです。
入職後は、急性期病院・回復期病院・介護老人保健施設など、さまざまな施設のいずれかに配属されます。さらに、希望する職員には「法人内留学制度」があり、別の施設で半年から1年間勤務することで、より幅広い経験を積むことも可能です。
転職せずに複数の現場を経験できる――
これは、生長会・悠人会ならではの大きな強みです。
こうして育った言語聴覚士は、どのような現場でも柔軟に対応でき、これからの地域包括ケアに求められる広い視点を備えています。
② 自分らしく学ぶ
生長会・悠人会の言語聴覚士には、自分らしいスタイルで、自律して学んでいる人が多くいます。
法人内には10の勉強会グループがあり、自分の興味にあわせて自由に選択ができます。
同じ関心を持つ仲間と、自分の「面白い」「もっと知りたい」と思ったことを、じっくり深めていける――
そんな学びの場が整っています。
また、効率よく働きながら、空いた時間をプライベートや自己研鑽に上手に使っている人も多く、仕事と学び、生活のバランスを大切にできる環境でもあります。
③ みんなと学ぶ
「寄らば文殊の知恵」。
法人内の言語聴覚士どうしで、気軽に相談し合える環境があります。
施設は異なっていても、それぞれの現場の視点を持ち寄りながら意見交換ができ、日々の臨床に活かされています。
さらに、そこで得た知見を学会などでアウトプットすることで、全国の言語聴覚士から刺激を受け、学びをより一層深めていくことができます。
こうして得た「広く、深い経験」を患者さんに還元しながら、
自分らしく、自律して働く――
これが、当院の言語聴覚療法士の学びのスタイルです。
言語聴覚士のリアルな「学びのスタイル」紹介
「毎日チャレンジ」がわたしのスタイル
私は府中病院に就職後、法人内留学制度を利用してベルピアノ病院に1年間赴任しました。現在は泉大津急性期メディカルセンターで勤務をしています。
急性期病院に所属しながら回復期病院での臨床を経験できたことは、自身の視野を大きく広げる貴重な機会となりました。留学先では多くの刺激を受け、法人内に相談できる仲間が増えたことも大きな財産です。こうした経験は、臨床に対する理解を深めるとともに、日々のモチベーション向上にもつながっています。
なかでも印象に残っているのは、研究発表への取り組みです。臨床で得た知見を外部へ発信するため、多くの方に相談しながら進める過程を通して、発信することの意義や協働の大切さを実感しました。
現在は泉大津急性期メディカルセンターで勤務し、相談し合える仲間に恵まれた環境の中で、日々成長を実感しながら臨床に取り組んでいます。
また、自己研鑽の一環として日本言語聴覚士協会認定 言語聴覚士を取得しました。外部研修や学会への参加を継続しています。
毎日チャレンジしている感覚が私のモチベーションの源です!
今後も学び続けた知識と経験を、患者さんへのよりよい支援につなげていきたいと考えています。
「自分らしく学びを深める」が私のスタイル
私はベルピアノ病院に入職後、法人内留学制度を利用して府中病院に1年間留学し、その後も引き続き数年間勤務しました。さらにベルランド総合病院に半年間留学したのち、再び府中病院に戻り、現在は泉大津急性期メディカルセンターで勤務しています。
これまでに、急性期、回復期、療養病棟、通所リハビリテーション、地域包括ケア病棟と、幅広い領域を経験してきました。各領域で求められる役割や視点の違いを学ぶ中で、言語聴覚士としての技術に深みが増すとともに、急性期から在宅まで切れ目のない多職種連携の重要性を実感し、視野が大きく広がりました。
現在は急性期領域で勤務していますが、患者さんやご家族が退院後に在宅でどのように生活されるかを常にイメージしながら関わることを大切にしています。
また現在は大学院にも通っており、働きながら学びを継続できる環境が整っていることも、当院の大きな魅力のひとつだと感じています。
私はエビデンスに基づいたリハビリテーションをさらに追求し、より質の高い支援を提供していきたいと思っています。
この道を深めていきたいです。
私たちの想い
この地域の笑顔と元気を守る冒険が、ここから始まります。
泉大津急性期メディカルセンターの言語聴覚療法室は
「急性期 × 成長できる環境 × 人を大切にする職場」
私たちの願いは、この地域の人たちが、自分らしく、笑顔と元気をもって暮らし続けられること。
正解のない課題に立ち向かいながら、仲間とともに、この地域の未来を少しずつ切り拓いていきたいです。
そしてもしよろしければ、あなたもその冒険の仲間として、加わっていただけたらとても嬉しいです。






