放射線治療センター
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高精度放射線治療とは?
高精度放射線治療とは、病巣部に対して正確に放射線を照射し、周囲の正常組織への放射線量を極力抑えることが可能な照射方法になり、主に定位放射線治療(SRT)と強度変調放射線治療(IMRT)があります。当院では、SRTは主にサイバーナイフ、IMRTはトゥルービームといった照射装置にて治療をおこないます。
強度変調放射線治療(Intensity Modulated Radiation Therapy: IMRT)
強度変調放射線治療(IMRT)は、がん病巣と正常組織が隣接している場合でも、正常組織を守りながらがんにのみ集中的に高い放射線量を照射できる治療になります。IMRTは、全ての根治的照射に対して適用可能ですが、当院での主な対象症例は、脳腫瘍、前立腺がん、肺がん、食道がん、膵がん、子宮頸がん、直腸がんなどになります。
定位放射線治療(Stereotactic Radiation Therapy: SRT)
定位放射線治療(SRT)は、小さながん病巣(数mmから5 cm程度)に対して細い放射線ビームを用いて、ピンポイントに照射する放射線治療のことを言います。
対象となる主な症例は、
- 頭蓋内腫瘍・転移性脳腫瘍
- 直径が5 cm以内かつ転移のない原発性の肺がん・肝がん・腎がん
- 転移病巣のない限局性の前立腺がんまたは膵がん
- 3 個以内かつ他病巣のない転移性肺がん・肝がん
- 直径5 cm以下の転移性脊椎腫瘍
- 5個以内のオリゴ転移病変
などになります。
画像誘導放射線治療(Image-Guided Radiation Therapy: IGRT)
画像誘導放射線治療(IGRT)は、照射直前に画像情報(2次元のレントゲン写真のような画像やCT画像)を照射装置にて取得し、治療計画で用いたCT画像や2次元画像と位置の照合をします。そして、臥床位置のズレを補正し、より正確な放射線治療をおこなう方法です。
IGRTの流れは、まず皮膚に描いた「印」に治療室内に設置されたレーザーを合わせます。皮膚表面の印だけでは身体の内部の状態や治療部位との位置関係がわからないため、前述の画像情報を取得します。その後、臥床位置を治療計画用CTのときと一致させてから、照射をおこなっていきます。
全身照射(TBI)
当院は、血液疾患に対して造血幹細胞移植がおこなわれており、前処置にあたる全身照射(TBI)も実施しています。
