理学療法室
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理学療法士はPhysical Therapist(PT)とも呼ばれます。ケガや病気などで身体に障害のある人や障害の発生が予測される人に対して、基本動作能力の回復や維持、および障害の悪化の予防を目的に、運動療法や物理療法などを用いて、自立した日常生活が送れるよう支援しています。
当院の理学療法士は、入院の早い段階から積極的にみなさまの健康な生活に向けたサポートさせていただきます。
理学療法の主な取り組み
運動療法で体を動かす力をサポート
「入院中は安静にしているのが一番」と思われがちですが、適度に体を動かすことも回復を助ける大切な方法です。
手術や治療の後、体を動かさないままでいると、筋力や体力が落ちてしまうことがあります。
理学療法士は、患者さんの状態に合わせた無理のない運動プログラムを提案し、筋力の維持や日常生活への早い復帰を目指します。
運動療法には、気分を前向きにしたり、倦怠感を軽減したりといった効果もあります。たとえば、がん治療中の方には、気力の回復を目指したサポートをおこない、心臓や呼吸器の病気で入院された方には、肺や心臓の働きを助ける運動を取り入れています。
一人ひとりの状態に合わせて、簡単なベッド上での運動から歩行訓練まで、段階的にサポートします。
また、自主トレーニングの方法も一緒に考えながら、患者さん自身で続けられる運動を提案します。
物理療法で痛みをやわらげます
痛みや筋肉のこわばりをやわらげるために、温熱、超音波、電気刺激といった方法を用います。これらは、血流を良くしたり、筋肉の動きをスムーズにしたりするのに役立ちます。
たとえば、電気刺激療法では、筋肉にやさしい刺激を与えることで、血流を改善して回復を助けます。また、温熱や超音波療法は筋肉や関節を深部から温めて痛みを軽減し、動きやすくする効果があります。
基本的な動作の練習をサポート
「寝返り」「起き上がり」「座る」「立ち上がる」「歩く」といった基本的な動作は、日常生活を送るために欠かせません。
病気やけがの影響でこれらの動作が難しくなった場合、理学療法士が一緒に練習し、再びスムーズに動けるようお手伝いします。
たとえば、立ち上がりの練習を通じて必要な筋力を鍛えつつ、体をバランス良く動かす方法を指導したり、歩行練習では、患者さんが安心して歩けるよう、体の支え方や歩き方をサポートします。
当院の理学療法の特徴
早期からのサポート
当院では、治療の早い段階から理学療法を始めます。早期の離床を目指すことで、合併症を防ぎ、回復をスムーズにします。
環境に合わせた柔軟な対応
当院には、5階と6階にリハビリテーション室があり、移動の負担を少なくする工夫をしています。また、患者さんの状態に応じて、病室でのリハビリもおこなっています。
多職種との連携
医師や看護師、管理栄養士などと連携し、患者さん一人ひとりに合った治療計画を立てています。
心臓リハビリテーションと理学療法の役割
心臓リハビリテーション(心臓リハ)とは、心臓病の患者が体力を回復し、再発や再入院を防止することを目的とした総合的な活動プログラムです。
このプログラムには運動療法、学習活動、生活指導、相談(カウンセリング)などが含まれ、患者が快適な生活を送れるよう支援します。
特に、理学療法士は運動療法の専門家として、患者一人ひとりに合わせた適切な運動メニューを提案・実施し、体力向上や日常生活の改善をサポートします。
また、理学療法士は患者の体調に応じた運動強度の調整をおこない、無理なく進行することができるよう指導します。
このように、心臓リハビリテーションにおいて、理学療法士は重要な役割を果たし、患者の健康回復を積極的にサポートしています。
がんのリハビリテーションと理学療法の役割
がんのリハビリテーションは、がん治療を受ける中での体力低下や倦怠感を軽減し、心の健康も支えることを目的とした支援プログラムです。
このリハビリテーションには、運動療法や生活指導、心理的サポートが含まれ、患者が治療中もできるだけ元気に過ごせるようにサポートします。
理学療法士は、運動療法の専門家として、がん患者に合わせた個別の運動プランを提案し、体力の回復を目指した運動プログラムを提供します。
また、患者の体調や治療の進行に応じて、無理のない運動強度や種類を調整し、痛みや疲労を軽減しながら体力を維持・向上させる支援をおこないます。
理学療法士は、がん患者がより快適で充実した治療生活を送れるよう、リハビリテーションの重要な役割を担っています。