整形外科
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整形外科領域で扱う腫瘍は首以下の四肢体幹に発生する臓器発生では無い腫瘍性病変です。但し皮膚、乳腺組織、外陰部は除きます。つまり骨腫瘍と軟部組織腫瘍です。どちらも悪性腫瘍は全腫瘍の約1%程度と希ですが、大きくても良性のものと、小さくても悪性のものがあります。
前者骨の代表疾患は良性では骨の外に突き出る外骨腫、骨の中にできる骨嚢腫や内軟骨腫や骨巨細胞腫などが頻度的に高いようです。悪性腫瘍では骨肉腫や軟骨肉腫などがあります。軟部発生の後者は皮下組織、血管、神経、筋肉などの柔らかい組織から発生する腫瘍(できもの)です。良性では類表皮嚢腫(アテローム)や脂肪腫、神経鞘腫、血管腫、腱鞘巨細胞腫など。悪性は脂肪肉腫、平滑筋肉腫、滑膜肉腫などがあります。腫瘍性病変には問診から始まる診察が大切です。ついでレントゲンや超音波検査、CT、MRIなどの画像診断へと進みます。その次に症例によって必要となるのは病理診断です。これは組織を採取する侵襲的(体に専用の針を用いて採取や、メスで少しだけ切って腫瘍組織を採取する手術)検査が必要になる場合があります。良性腫瘍でも切除が必要な場合と経過を診ているだけで良い病態があります。悪性の骨腫瘍や軟部腫瘍の種類や病態によっては、抗がん剤治療が必要となることもあります。
骨悪性腫瘍
悪性骨腫瘍
悪性骨腫瘍とは骨にできる“がん”のことであり、骨そのものから発生する原発性悪性骨腫瘍と他の“がん”が転移してくる転移性骨腫瘍に大別されます。播種、転移のリスクのある腫瘍です。状態に応じて手術、化学療法や放射線治療を要します。
骨肉腫、ユーイング肉腫、軟骨肉腫、脊索腫、転移性骨腫瘍など。
軟部悪性腫瘍
播種や転移のリスクの高い腫瘍です。そのため初期治療が不適切な場合には、患者さんの命に重大な影響を与えることになり、専門的治療を要する疾患です。ここに含まれる腫瘍には様々な発育様式と悪性度の腫瘍が含まれているため、その性格に応じた切除範囲や化学療法設定などきめ細かな対応が必要です。手術は安全な切除縁の原則に従っておこないます。
脂肪肉腫、未分化多形肉腫、滑膜肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、胞巣状軟部肉腫、類上皮肉腫など。