消化器外科
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胃がんについて
胃がんは粘膜から発生し、胃壁を外側にしみこむように広がっていきます。
粘膜下層にがんが浸潤すると、胃の周りのリンパ節や、肝臓などに転移をきたします。
胃がんは粘膜から発生し、胃壁を外側にしみこむように広がっていきます。
粘膜下層にがんが浸潤すると、胃の周りのリンパ節や、肝臓などに転移をきたします。
胃がんのステージについて
胃がんの治療は、臨床ステージに基づいて決定されます。
臨床ステージ1 | がんの浸潤が固有筋層までで、かつ周囲リンパ節転移がないもの |
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臨床ステージ2 | がんの浸潤が固有筋層までで、かつ周囲リンパ節転移があるものと浸潤が漿膜外までで、リンパ節転移のないもの |
臨床ステージ3 | 浸潤が漿膜外までで、リンパ節転移のあるもの |
臨床ステージ4A | がんが他の臓器に浸潤しているもの |
臨床ステージ4B | 遠隔転移を認めるもの |
手術術式
基本的にがんの手術は胃周囲のリンパ節も切除します(リンパ節郭清)。
がんの占拠部位により胃切除範囲が変わります。
幽門側胃切除
噴門側胃切除術
胃全摘術
胃がんに対する薬物治療
薬物治療(化学療法)の適応は、術前術後の補助化学療法と臨床ステージ4Bに対する治療に分けられます。
術前補助化学療法
わが国における第III相臨床試験のエビデンスはないが、胃周囲の高度リンパ節転移症例に対し良好な成績が報告されています。
臨床ステージ4B、再発胃がんに対する薬物療法
3次化学療法までの推奨レジメンが現在のガイドラインでは紹介されています。
免疫チェックポイント阻害剤(ICI)の登場により、使える薬剤が増えてきており、各胃がんの分子発現の違いにより推奨レジメンが異なります。
現在、薬物治療の前に発現の測定が推奨されている分子は、HER2、CLDN18、PD-L1、MSIです。Her2が陽性なら、ハーセプチン、CLDN18陽性ならゾルべキシツマブが使えます。PD-L1、MSIは免疫治療の指標になります。
当院の胃がん治療の特色
高齢者やハイリスク患者に対する安全な外科治療
当院では、腹腔鏡、ロボット(ダビンチサージカルシステム)を導入しています。ロボット手術により、精密な操作と拡大視が可能になったことです。特に狭い縦郭操作が必要となる食道胃接合部がんや、進行胃がんにおいても、出血量を少量に抑えながらの低侵襲手術が可能となりました。これまで、大学病院で多くの胃がん手術に携わった専門医が手術をおこないます。
高度進行胃がんに対する薬物療法と外科治療を組み合わせた集学的治療
現在では、臨床ステージ4の進行胃がんでも免疫療法と抗がん剤との併用により、転移の縮小効果がより強く得られることが臨床試験で示されています。
当院では、薬物療法により転移がん縮小した進行胃がんに外科切除を組み合わせた集学的治療を積極的におこなっています。
また、当院では免疫治療の研究施設と協力して、ICIの有効的な使用法について研究をおこなっています。