消化器内科
主な治療大腸がんについて一覧に戻る
食物は口、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸を通過し、肛門より便として排泄されます。大腸は約1.5mの長さがあり、主に水分の吸収を行っています。大腸には結腸と直腸が含まれます。大腸がんは直腸(35%)、S状結腸(34%)に発症することが多いです。
症状
- 血便(痔核と思っている方は要注意)
- 腹痛
- 便秘
- 便が細い
- 便秘と下痢を繰り返す
- 貧血
- 体重の減少
※上記の症状がでると進行がんとなっていることが多いですが、大腸がんは進行がんでも助かる可能性があります。
※上記の症状がでれば、検診ではなく、かかりつけの主治医か専門医の受診を行ってください。
※前がん病変であるポリープや早期がんでは、無症状であることが多く、早期発見のためには便潜血反応検査などの検診が大切となります。
早期大腸がんの診断と治療
近年、日本における大腸がん発症数は増加傾向にあります。新たな抗がん剤の開発などで予後が改善していますが、検診を利用し、早期に発見し治療することが重要です。
大腸がんは「腺腫から発症する場合」と「正常の粘膜から発症する場合」がありますが、治療法はどちらの場合も変わりません。
大腸がんは粘膜に発症し、経過とともに粘膜下層へ浸潤します。この粘膜下層の浸潤距離が診断と治療に極めて重要です。粘膜下層への浸潤が粘膜筋板から1,000μmを超える浸潤を認める大腸がんは「リンパ節転移の危険性のある腫瘍」であり、リンパ節廓清を伴う外科手術が必要です。しかし、浸潤距離がこの段階を越えなければ腫瘍径に関わらず、局所切除、つまり内視鏡治療で治癒します。この浸潤距離は最終的には切除標本で病理学的に確認することになりますが、近年の内視鏡機器と診断学の進歩により、高い確率で「粘膜がん~粘膜下層軽度浸潤の腫瘍」か、それ以深の浸潤であるかを術前に診断することが可能です。
当院では通常観察と色素内視鏡、そして可能な限り拡大内視鏡を併用することで、最前線の術前診断を行っています。