臨床検査室
紹介・取り組み検体検査について一覧に戻る
採血を受けられる方へ
当院では採血を安全に間違いなく行うために以下のことを確認させていただいております。
- ご本人さま確認
採血取り間違い防止のため、ご自身の氏名、お誕生日を確認させていただいております。
下記に該当する患者さんは採血スタッフにお申し出ください。
- 採血時にご気分の悪くなられる方
- 消毒液(アルコール)や手袋(ラテックス)にアレルギーをお持ちの方
- 血液透析中の方
- 乳房切除術を受けられた方
- その他採血に関してご希望・ご不安な点のある方
※採血時の疑問やご不明な点は遠慮なくスタッフにお聞きください。
生化学免疫検査
- 肝機能・腎機能・糖代謝機能などの検査のほか、感染症や内分泌検査を行っています。
- 一日に300件程度の検査を行い、その8割程度が至急検査です。
外来からの依頼は診察前検査として30分程度で報告しています。 - 平成25年度、大型分析装置2台と糖代謝検査2台を更新しより迅速な結果報告を実践しています。
検査装置を更新し、検査に2本必要であった採血管を1本に減らしました。 採血時の患者さんの負担軽減に努めています。 |
糖代謝検査
血糖ならびにグリコヘモグロビンを測定する検査装置です。血糖は採血した時点の血糖の値を示し、グリコヘモグロビンは過去1~2か月の血糖の状態が分かります。
血液ガス分析装置
血液中の酸素や二酸化炭素の濃度、PHなどを調べる検査装置です。
血液検査
- 血液中の血球数を調べ貧血の程度や種類、また炎症の有無や出血を止める働きなどを調べています。顕微鏡による白血球分類や形態観察も行っています。
- 当院には血液疾患センターがあり、骨髄検査が1カ月あたり約40~50件行われており、年々増加しています。骨髄像の鏡検では血液内科のDrと共に形態などについてカンファレンスを行い、チーム医療に貢献しています。
- 他に血液の凝固・線溶系に関する検査も行っています。近年、血栓塞栓症などの病気の増加に伴い、検査依頼も増加しています。
全自動血球分析装置
白血球数・赤血球数・血小板数の計測および白血球分類を行っています。
凝固・線溶系の測定装置では、抗凝固薬療法(ワーファリン)などの指標となるPTや、血栓症を起こす病気の診断またはその重症度を調べるFDP、Dダイマーなどの項目を測定しています。
顕微鏡による血液像鏡検
医師による鏡検依頼があった場合や検査装置で分類できなかった白血球は顕微鏡により分類しています。
骨髄像鏡検
一般検査
- 尿の蛋白・潜血などを検査し、顕微鏡で尿中の白血球・赤血球などを調べています。
また、インフルエンザや肺炎球菌などの各種迅速検査を行っています。 - 大腸がんの早期発見のために便中の潜血反応も実施しています。
尿定性検査
試験紙により尿中の蛋白、潜血、PH、ケトン体などを調べます。
尿沈渣
尿を遠心分離し沈殿する赤血球・白血球・上皮細胞などを顕微鏡で調べる検査です。腎臓や尿路系の病気の診断に重要です。
便潜血装置
当院は免疫学的潜血反応を用いて検査を行っています。赤血球中に含まれるヘモグロビンに対する抗体を使用し、便中に赤血球があると反応し陽性となります。
検査に食事制限はありません。
大腸がんのスクリーニング検査として広く用いられており、連続2日検査すれば、進行がんでは90%、早期がんでは50%が発見できるという報告があります。
迅速検査
インフルエンザ・アデノウィルス・肺炎球菌・レジオネラ・妊娠反応等の迅速検査を実施し、早期治療に貢献しています。
輸血検査
- 輸血に伴う検査には、交差適合試験と不規則性抗体検査があります。
- 不規則性抗体検査はABO式血液型以外の血液型に対する抗体が無いかを調べる検査です。
- 輸血に関する安全性を高めるために全自動輸血検査装置を導入しております。
交差適合試験
交差適合試験は、重大な事故や副作用を防ぎ、安全に輸血を行うための重要な検査です。
輸血しようとする血液製剤と患者様の血液を試験管内で混ぜ、血液が固まったり、赤血球が壊れたりしないかを観察します。
全自動輸血検査装置を導入し、血液型および不規則抗体スクリーニングを検査しています。
装置の導入により、検査の迅速化がはかれ、24時間同一レベルの精度で検査ができるようになりました。
輸血管理
当院は輸血総合管理システムを導入し、血液製剤の出入庫を含めた使用状況の管理、輸血関連検査に関する管理を行っています。
認定輸血検査技師2名を中心に輸血用血液製剤の一元管理を行い、血液製剤の適正使用に努め輸血管理料Ⅰを取得しています。
※輸血管理料Ⅰとは輸血療法の安全かつ適正な施行を促す目的で、医療機関に於ける輸血管理体制の構築とその適正かつ効果的な運用に対する診療報酬です。
血液製剤の有効利用
赤血球製剤使用予定患者さまの血液データを臨床検査技師がチェックし、臨床検査室より主治医へ製剤使用の有無について確認の連絡を行っています。その結果、血液製剤の有効利用(廃棄率低下)に繋がりました。
細菌検査
- 感染症にかかると発熱やはれ痛み、膿や痰などの分泌物が出る、などの自覚症状が起こります。
- 細菌による感染を受けた臓器の分泌物や血液などから、病気の原因となっている細菌を検出します。
- 検出された細菌に対して、どんな薬剤(抗菌薬)が効くかを調べることで、効果のある薬剤を選択することができます。
細菌検査の手順
塗抹検査 | 検査材料をスライドグラスに塗り、染色(グラム染色)して顕微鏡(通常1000倍)で細菌の染色性と形態を観察します。 |
培養(分離培養) | 検査材料の・種類や目的菌により、培地と培養条件を選択して培養(通常35~37℃フラン器で約18~48時間)します。 |
同定・薬剤感受性検査 | 培養にて発育した細菌の形態・性状等を詳しく調べ最終的な特定(同定検査)をし、その細菌に対してどんな薬剤(抗菌薬)が効くかを調べます(薬剤感受性検査)。 |
細菌検査のその他の活動
- 薬剤耐性菌検出報告
感染対策に重要な細菌が検出された場合や対象菌の検出状況などを各病棟に報告しています。
- 血液培養報告
血液培養陽性時に24時間対応でグラム染色を実施し、結果を報告しています。
- ICTラウンドへの参加
週一回のICTラウンドに参加し、チーム医療に取り組んでいます。
病理検査
- 病気の診断を行うために、患者さんから採取した臓器・組織・細胞などを詳しく調べること。
- 内視鏡や手術で取り出した臓器や組織を調べる病理組織検査。
- 尿・喀痰に含まれる細胞や粘膜・病変部から採取した細胞を顕微鏡で観察し、悪性細胞の有無を検査する細胞診検査があります。
- 病理診断、細胞診診断は病理医が行い、検査技師は標本の作製、細胞診のスクリーニングを担当します。
病理検査の手順
固定 | ホルマリンに組織を浸し、組織の保持と硬化(タンパク凝固)を行います。 |
切り出し | 検体を観察し、病変部を適切な大きさに切り分けます。 |
包埋(ほうまい) | 自動包埋装置(標本作製の機械)に1日かけパラフィン(ろう)を組織に浸透させ、型枠にはめ固めます。 |
薄切(はくせつ) | 顕微鏡で診断するため、ミクロトームで3ミクロン程度に薄く切り、切った切片をスライドガラスに貼り付けます。 |
染色 | ヘマトキシリン・エオジン染色で作成した標本を染色します。 |
標本の質向上のため、乳腺穿刺細胞診や胆管、膵管擦過細胞診、EUS-FNA等の検査時には細胞検査士が現場に出向き検体処理を行い、不適切標本の減少に努めています。