乳腺外科
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放射線療法は放射性物質から出るγ線や大型の加速器により人工的に作り出したX線などをがん細胞に照射することによって、がん細胞に損傷を与え、がん細胞を死滅させる治療法です。基本的に放射線が照射された範囲にだけ治療効果が及びます。
放射線治療の照射線量について
照射線量は施設によって違いがありますが、1回の線量が1.8~2.0Gy(グレイ)で、合計45~50Gy程度の照射量が平均的です。週に5日行った場合で5、6週間の期間となります。比較的短時間で外来でも治療ができたり、副作用も比較的少ないものですが副作用がないわけではありません。
放射線治療の副作用について
正常な細胞に放射線が照射されると正常な細胞がダメージを受け副作用が出ることがあります。副作用には治療中または治療直後にでるものと、半年~数年後にでてくるものとがあります。直後から数カ月以内に現れる副作用としては、皮膚が日焼けしたときのように赤くなることがあります。皮膚が弱くなっているため刺激に弱くなります。他に皮膚がカサカサしたり、黒ずんだりすることもあります。また倦怠感を感じることもあります。
放射線治療による副作用が現れるのは照射した部分に限られますので、乳がんの場合には、放射線療法単独では頭髪が抜けたり、吐き気やめまいが起こることはほとんどありません。放射線治療の副作用のうち治療後数カ月以上経過してから現れるものの方がより注意が必要で、同じところに二度照射すると副作用の頻度が増し、放射線治療の効果よりも副作用の方が強く現れるため、一部の例外を除いて一度放射線照射を行ったところには再照射しないのが原則です。