外科・肝胆膵外科・消化管外科
主な治療腹部救急疾患(急性腹症)一覧に戻る
急性腹症とは、発症約1週間以内の急性発症で、手術などの迅速な対応が必要な腹部疾患の総称です。早期の診断、手術などの治療介入が非常に重要になります。
当院は南大阪を中心に救急の受け入れを行っている二次救急医療施設です。さらに腹部救急医学会が定める腹部救急認定医・教育医制度認定施設であり腹部救急疾患を数多く診療しております。急性腹症など腹部の救急疾患に対して24時間365日緊急手術を行える体制を整えています。またICU(集中治療室)では血液浄化療法などの重症感染症に対する集中治療を常に実施できる体制を整えており高い救命率を維持しております。
近年では高齢患者さんも多く、持病をたくさんお持ちの方もおられます。そういった患者さんに対しても総合病院の特性を活かし、他科と連携し安全な手術を提供します。高齢の患者さんの場合、緊急手術後にADLの低下がみられることも珍しくありません。当院での手術の後、近隣の療養型病院への転院や訪問看護など在宅でのサポートを含めてお手伝いさせていただきます。
代表的な病気
腸閉塞
食べ物の通り道である腸が詰まる病気です。
- 絞扼性腸閉塞 腸がねじれたりすることで起こる腸閉塞です。腸が壊死(腐る)する可能性があります。
- 癒着性腸閉塞 昔行った手術などが影響して起こる癒着による腸閉塞です。
ともに緊急対応を要する病気ですが、特に絞扼性腸閉塞は緊急手術が必要な疾患で早期の診断、治療が重要です。
急性胆嚢炎(きゅうせいたんのうえん)
胆汁を一時的に貯めておく胆嚢という袋状の臓器に炎症を起こす病気です。胆石が原因になることが多い病気で、右上腹部が痛くなるのが特徴的です。重症度を判定したのちに治療法を決定します。軽症~中等症の胆嚢炎には可能な限り低侵襲な腹腔鏡下手術を行っています。
消化管穿孔(しょうかかんせんこう)
食べ物の通り道である消化管に穴があく病気です。腹膜炎になることが多く、緊急手術が必要な病気です。特に下部消化管穿孔は重症化(死亡に至る)するケースもあり集中治療が可能な施設での治療が望ましいとされています。
- 上部消化管穿孔 胃、十二指腸に穴があくことです。原因としては胃・十二指腸潰瘍、胃癌などがあります。
- 下部消化管穿孔 大腸に穴があくことです。原因としては大腸癌による閉塞、大腸憩室などがあります。
急性虫垂炎(俗にいう盲腸)
大腸の一部である虫垂をという臓器に炎症を起こす病気です。虫垂は右下腹部に位置しているので、右下腹部が痛くなるのが特徴的です。状態に応じて抗生剤治療、手術治療を選択します。手術の場合は可能な限り低侵襲な腹腔鏡下手術を行っています。
鼡径ヘルニア嵌頓(そけいへるにあかんとん)
足の付け根に見られる鼠径ヘルニア(脱腸)が戻らなくなることで起こる病気です。放置すると腸が壊死することがあり救急対応が必要です。
上記以外にも緊急手術が必要な病気はたくさんあります。適切な診断の後、迅速に手術を行います。