外科・肝胆膵外科・消化管外科
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治療について
食道は咽頭(のど)から胃までをつなぐ約40cmの筒状の臓器です。 食道がんは他のがんよりもリンパ節、他の臓器への転移を起こしやすく、食道の周囲にある臓器(気管支や大動脈)にも拡がりやすいという特徴のため、消化器がんのなかでも治療が難しいがんです。
食道がんの治療には内視鏡的切除、手術、化学療法(抗がん剤や分子標的薬)、放射線治療があります。早期がんや切除可能なものには、内視鏡的切除や手術を行います。切除が難しいものに対しては、化学療法や放射線治療を組み合わせて治療を行います。 当院では治療ガイドラインに沿って消化器内科や放射線治療科と連携し、患者さんひとりひとりのがん進行度や全身状態に合わせた最適な治療を選択しています。
手術
食道がんの手術は身体に対する負担が大きい(侵襲が大きい)ため、当科では積極的に胸腔鏡下手術を行っています。胸腔鏡下手術は胸に数か所の小さな孔を開け、テレビモニターを見ながら手術を行います。胸を開く(開胸)手術と比べキズが小さく、手術後の回復が早いのが特長です。 2018年から大学病院と連携し、腹臥位胸腔鏡下手術を導入しています。腹臥位胸腔鏡下手術による良好な視野の下、より安全で確実な手術が可能となります。
特色
食道がんの患者さんは食べ物の飲み込みにくさから、来院時からすでに栄養状態が低下している方が多く、また他の臓器に持病(併存疾患)を有しているために体力が低下している方も多くいます。栄養状態や全身状態が不良の場合、手術や化学療法、放射線治療の効果が低下するだけではなく、手術の合併症や化学療法、放射線治療の副作用も起こしやすくなります。
当院では栄養状態や全身状態を改善するために、多職種(医師、看護師、理学療法士、薬剤師、管理栄養士、摂食嚥下チーム、歯科衛生士、ソーシャルワーカーなど)が協力して、治療開始前から退院されるまで切れ目なくサポートします。