乳腺センター
乳がんの治療リンパ浮腫について一覧に戻る
リンパ浮腫とは?
リンパ浮腫とは、がんの治療などにおいて、手術でリンパ節を取り除いたり放射線治療を行うことによってリンパの流れが停滞して生じる“むくみ”のことをいいます。
治療時のケア・サポート体制
乳がんの治療として、手術や化学療法、放射線治療を行うとリンパ浮腫が後遺症として現れる場合があります。
リンパ浮腫が現れる頻度は、病気や手術の術式などによっても異なりますが、多くの報告をみてみると乳がんの治療後(手術・放射線治療後)25~30%程度の方に発症するといわれています。また、リンパ節を取っていない方でも、手術の際にはリンパ節を検査するため、3~5%程度の方がリンパ浮腫を発症することがあるといわれています。
そのため、当院ではリンパ浮腫の発症を少しでも減らすために、乳がんの手術を受けられる方にはリンパ浮腫指導を必ず行っています。当院で手術を受けて頂いた方が、その後も安心して暮らして頂けるようにサポートさせて頂きます。
リンパ浮腫を万が一発症したら?
リンパ浮腫の保存的治療としては、用手的リンパドレナージ(MLD:Manual Lymph Drainage)を含めた複合的治療(CDT:Complex decongestive therapy)があります。
この治療法は1950年代に欧州で提唱されはじめたリンパ浮腫の治療概念で、国際リンパ学会(ISL)においても標準治療として認められています。 しかし、我が国では、リンパ浮腫治療を行う医療機関は全国的にもまだ少なく、がん専門医療機関においても十分に整備されているわけではありません。
当院では、患者さまに安心して治療を受けて頂けるよう治療時の「リンパ浮腫指導」に加えて、万が一リンパ浮腫になった場合には専門の治療を受けて頂くことができるよう専門教育を受けた治療スタッフを配置しています。