循環器内科・冠疾患内科
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脊髄刺激療法(SCS)
- 脊髄の硬膜外腔に直径1.4mm程度の電極を挿入し、脊髄に微弱な電流を流すことにより、痛みを和らげる治療法
- 慢性難治性疼痛、脊椎・脊髄疾患による疼痛、末梢血管障害による疼痛などに効果があります
末梢血管障害では虚血の改善も期待できる
①電気刺激により求心線維の逆行性興奮
②末梢神経に伝達
③ペプチドやNOの作用で微小血管を拡張
④血管平滑筋を拡張
⑤微小循環障害の改善によって虚血痛が緩和
⑥間接的に交感神経の緊張が緩和
➆創傷治癒につながる
立山真吾 インターベンショナル痛み治療ガイドライン(2014)
カテーテル治療やバイパス術が不可能な症例において疼痛コントロールや創傷治癒につながる治療法として注目を集めています。循環器内科領域においては全国的にも導入施設が極めて少ない現状です。
重症下肢虚血(CLTI)における脊髄刺激療法の適応
Brussels Consensus (2001)
□ 動脈硬化病変 Fontaine Ⅲ〜Ⅳ
□ 潰瘍形成は可、ただし3cm以下且つ感染徴候なし
□ 薬物療法や外科手術で十分な疼痛緩和が得られない
□ レイノー、凍傷など血管攣縮性の疾患
□ バージャー病
潰瘍治癒例、3cm超の報告もしっかりあります
重症下肢虚血に対する治療の流れ
①薬物療法
②血行再建
③神経ブロック
④脊髄刺激(試験刺激)
⑤脊髄刺激(本植え込み)
CLTIは進行が早く、創傷治癒には時間がかかるだけでなく疼痛コントロールにも難渋する場合が多いです。(虚血性+侵害受容性の混合性疼痛)
血行再建だけでは効果が不十分な場合に、脊髄刺激療法を行います。