院長 倉都 滋之
当院は、その前身の愛風病院(堺市中区)から2012年4月にその名称を「ベルピアノ病院」と改めて現在の西区菱木に移転し、地域や社会に貢献することを使命に、皆様のご支援のもと回復期・慢性期病院としてその歩みを現在も進めております。
少子高齢化が進む中、医療や介護、福祉の分野においても世間のニーズは変化してきております。そのような世の中の情勢を見極めた上で、当院は2025年度より96床あった医療療養病床のうち、48床を回復期病床に転換し、慢性期療養型病院から回復期リハビリテーション病院として生まれ変わることといたしました。これは当院開設以来のテーマである「帰ろう、住み慣れた街、住み慣れた家へ」を可能な限り実現するためでもあります。具体的には、
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回復期病棟96床
主に急性期治療後の脳血管疾患や運動器疾患の治療継続と在宅や職場復帰のために必要な充実したリハビリテーションを担当
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地域包括ケア病棟48床
サブアキュート:在宅や介護施設などで療養されている方が急性増悪した軽症・中等症状態の患者さんの治療の受け入れ、ポストアキュート:急性期治療後のさまざまな疾患の継続治療。主にこの2つの入院を担当
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医療療養病棟48床
急性期を過ぎても引き続き医療必要度が高い患者さんや、神経難病など長期にわたる療養が必要な患者さんの受け入れ、緩和ケア、レスパイトケアの患者さんの受け入れを担当
と3種類の病床機能(合計192床)を柱として運営してまいります。また、脳卒中後の後遺症で筋の過緊張による手足のつっぱり(痙縮)に対して行うボツリヌス治療も新たに開始しておりますし、外来では高齢化社会と共に注目を集めている骨粗鬆症治療につきましても専門医が骨粗鬆症外来を行い、受診される方も増えております。
当院の特徴は、専門性を持ったスタッフが連携して必要な看護・介護を提供するのはもちろんのこと、充実したリハビリテーションを提供するため、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士合わせて総勢90名超の多くのリハビリスタッフを有しているところです。また当院では、入院患者さん一人ひとりに担当のソーシャルワーカー(全員が国家資格を有する社会福祉士)が配置されており、回復期病棟と地域包括ケア病棟だけでなく、長期入院患者が多い医療療養病棟においても在宅復帰機能強化加算を受けるなど在宅復帰率の向上に注力しています。
同じ敷地内に隣接する複合施設には、当院のほか特別養護老人ホーム「ベルアルプ」やサービス付き高齢者向け住宅「ベルヴィオロン」の2つの施設に加え、訪問看護・介護各ステーション、居宅介護支援などを行う地域連携・在宅療養支援センターが併設されており、在宅療養や介護が必要になった方への充実した支援体制が整っています。さらに、通所リハ・通所介護をはじめ訪問診療・訪問看護・訪問リハに加え、訪問薬剤指導・訪問栄養指導や介護相談にも力を注いでおり、病院と地域を結ぶ切れ目のない医療・介護・福祉の提供を積極的に行っております。
健康志向が高まる中、人生100年時代を迎えた超高齢化社会における地域医療・地域包括ケアの要として、スピード感を持って地域住民の多様なご要望に応えるべく、病院スタッフ一同、チームワークを大切にしながら精進してまいりますので、今後とも変わらぬご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。