医療Q&A
お薬について
水で飲むのは、お薬を飲みやすくするためだけではありません。水といっしょに飲むことで、口から食道を通り胃へ運ばれ、胃の中で水に溶け、吸収されやすい形になります。水なしで普通の錠剤やカプセル剤を飲み込む人がいますが、こうした飲み方をすると、お薬は溶けにくく、効き目も遅くなったり低下したりします。それどころか、お薬が食道の粘膜にくっついたりして、ヘタをすると、食道に炎症が起きたり、潰瘍が生じることがあります。特に、飲んだすぐ後に横になる場合、就寝前に飲んだ場合などは注意する必要があります。
ただし、水分の摂取制限のある方や頻尿等、特殊な事情のある患者さんの場合は医師・薬剤師にご相談ください。
最近は、水なしで飲めるとされている錠剤(口腔崩壊錠)がでてきていますが、まだ少数のお薬だけのことで、その他多くのお薬には上記のような注意がまだまだ必要です。
そのまま飲むのが原則です。
カプセルや錠剤の中には、徐々に溶けるようにしたり、腸で溶けるようにしたり、苦味を和らげるためなどの工夫をしたものが多くあります。したがって、カプセルをはずしたり、錠剤を砕いたりすると、お薬の効果が強くなったり、また半減したり、大変飲みづらくなることがあります。
お薬が飲みにくいときには遠慮なく医師や薬剤師に相談してください。お薬によっては、カプセルをはずしたり、錠剤を砕いたりできるものもあります。また、変更ができるかもしれません。
インスリンは凍結を避けて冷蔵庫に保管することによって品質が保たれます(フリーザーはだめです)。また高温(40℃以上)になってもだめです。
- ペンタイプの時はセットしたものはそのまま携行しても大丈夫です。セットしたペンを冷蔵庫には入れないでください。結露により故障の原因になります。
- 海外旅行のときは、移動時間はそのまま携帯し、ホテルに着いたらすぐに冷蔵庫に入れてください。このとき、体に密着させて携帯していると、体温により温度が上がりますので、ポケットやバッグに入れ、なるべく温度が上がらないようにして携帯してください。
- 常温(15~25℃)なら1ヶ月くらいは大丈夫ですが、気温の高い所で長時間の場合はクールパック等が必要となります。
- また有効期限を確かめてください。
時間を決めて服用するのは、なかなか大変なことです。飲み忘れないように、お薬は食事と関連づけて処方されることがあります。
食後だと胃に対する負担(刺激)を軽くします。このような理由で食後の指示となっているお薬は、食事をしなくても服用してください。
ただし、鎮静剤など胃腸障害の起こりやすいお薬は、その負担を軽くするため、少しでも何か食べてから服用してください。あるいは、やや多めの水で服用するようにしてください。
お薬は湿気、高温、光を避けて保管ください。自動車などに放置することを避けてください。
- お子様の手の届かない安全な場所においてください。
- 食品と間違うことのないようにしてください。
- 長期間経ったお薬は、副作用、事故の原因となりますので、廃棄してください。基本的には、お薬はその日数内で服用(使用)されるものとして処方されています。
- 座薬は原則として、冷蔵庫など冷暗所で保管してください。つまり体温くらいの温度で溶けるように作られています。したがって食品と間違わないように注意してください。
1滴で十分です。
目の中に収まる量は、大体1滴の半分くらいです。1滴以上さしてもあふれるだけです。そればかりか、あふれ出た目薬に含まれる防腐剤などによって目のまわりを荒らすこともあります。
また、目薬をさした後、パチパチとまばたきをすると目薬は涙と一緒に目から鼻へと抜けてしまいます。1滴を点眼した後は、目薬が目から出てしまわないように、しばらくの間、まぶたを閉じておくことが大切です。
医師・歯科医師が患者さんの診断・治療を行なった後、調剤や薬歴、処方箋にもとづいて、保険薬局の薬剤師が薬暦管理(薬の記録)をもとに薬の量や飲み合わせ等を確認した上、調剤します。つまり医師と薬剤師がそれぞれ専門性を発揮し、協力し合うことで、医療の質の向上を図ろうとするものです。
メリット
- 医師が治療に必要なものを自由に処方できる。
- 保険薬局薬剤師がすべての外来処方箋を点検し、薬暦簿をとり確認することで、安全性がより向上する。「かかりつけ薬局」とすることができる。
- 病院薬剤師は病棟業務に専念できる。
- 待ち時間の短縮ができる。
デメリット
- 二度手間である。
- 処方箋料や薬局の調剤基本料などがかかるため、費用が余分にかかる。
処方箋を紛失されますと保険調剤薬局にてお薬を受け取れません。
処方箋の再発行には、医師の診察が必要となりますので、お問い合わせください。
- 処方箋の再発行は、医療保険が適用できず、診察料・処方箋料が自費となります。
- 保険調剤薬局にてお薬受け取り後の処方箋の再発行についても、医療保険が適用できません。
病院での診察料・処方箋料および薬局でのお薬代どちらも自費となりますので、ご注意下さい。
リハビリテーションについて
リハビリテーションは自分自身でできる大変有効な治療法ですが、正しいやり方と適切な量が大切です。 間違ったやり方や訓練のしすぎはかえって症状を悪化させる場合もあります。医師や理学療法士の説明と指導をちゃんと受けることが必要です。
「温シップは温める、冷シップは冷やす」と理解している方も多いですが、シップには温度を変化させる効果はなく、実際は薬用の効果で刺激された皮膚が‘温かい‘や‘冷たい‘と感じているのです。
温めた方がいいか、冷やした方がいいかは、痛みの種類と症状によって異なります。慢性の場合は温シップ、急性で炎症のある場合は冷シップと覚えてください。
頚部や頚部のつけねから肩、あるいは背部にかけて凝った感じや痛みを感じ、なかには頭痛、吐き気を伴うことがあります。肩こりに関係する筋肉にはいろいろありますが、頚部から背部にかけて張っている僧帽筋という幅広い筋肉が大きく関与しています。
肩こりの原因ですが、姿勢のよくない方、頚部・背部を同じ姿勢で仕事をされる方、冷房のあたりすぎ(冷やしすぎ)の方に多く認めます。このような方に筋肉が緊張することで肩こりが生じます。
治療ですが、肩こりはあくまでも予防です。上記したことを特に気をつけてください。使い捨てカイロや蒸しタオルなどを使って、筋肉の血行を良くし、適度なストレッチングや運動を行なうことが大切です。
気をつけなければならないことは、痛みを起こす動作は極力避けることです。立ち上がりが痛ければ、周りのものを持ってでも痛くないようにして立ち上がる。前屈するなど痛みを強くする姿勢はとらないことです。腰部の筋肉の緊張は、膝を曲げると曲げた側の腰部の筋肉は緊張しにくくなります。
立位で静止している時は、足を台の上に乗せ、膝を屈曲している方が腰の負担が少なくなります。就寝時も側臥位で膝を曲げて寝るか、仰臥位で膝の下に布団などを入れて膝を曲げて寝ることが必要です。畳に座る時は胡坐(あぐら)はよくありません。
正座の方が腰の筋肉の緊張は少なくなります。ソファに座る時は脚を組んで座る方が腰の負担は軽減されます。
急性の腰痛に対しては、まずは”安静”です。それで腰痛が緩和してくれば無理なく動ける範囲で日常生活を開始します。痛みが完全に取れるまで安静を保つことは逆に回復を遅らせます。
急性期を過ぎると温熱療法、牽引療法などの物理療法などを行なっていきます。温熱療法により血管を開き、血行をよくすることで筋肉の痙攣を軽減させます。牽引療法は筋肉のストレッチおよび筋肉のわずかな伸び縮みによるマッサージ効果で血流を改善させます。 また、腰痛体操と呼ばれる運動療法が行なわれます。拘縮や過緊張をきたした筋に対するリラクセーション、弱くなった筋力の回復、筋肉相互間のバランスの乱れを整えるなどの効果があると考えられています。
また、腰痛の有無にかかわらず、日頃からストレッチや筋力強化訓練を行い、腹筋・背筋のバランスを整えることは腰痛の再発予防につながります。
可動域訓練
変形性膝関節症によって関節の動きが悪くなったり、動く範囲が狭くなったりした場合に、その動きの改善や動きの範囲を広くするために行なわれます。膝の曲げ伸ばしの訓練は、まず膝を温めてから行なうと痛みも少なく関節や筋肉も柔軟になっているのでより効果的です。蒸しタオルを10分程度膝にあてたり、入浴時に浴槽のなかで訓練したりするのが良いでしょう。
筋力増強訓練
変形性関節症では、太ももや膝の周りの筋肉を鍛えて膝関節を支える力を強くすることが大切です。仰向けに寝た状態やイスに座った状態で片方の脚を伸ばし(寝た状態では30~45度位に挙上)、そのまま10秒ほど支える方法は膝関節を支える筋肉として一番重要な大腿四頭筋の力を鍛える簡単な方法としてお勧めです。また、水中歩行などプールでの運動は浮力のために膝への負担が少なく筋力をつけるのに大変有効です。