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呼吸器外科

原発性肺癌/転移性肺腫瘍

原発性肺癌

原発性肺癌は喫煙やアスベスト(石綿)曝露との関連性が知られていますが、非喫煙者の肺癌も増えてきています。

アスベスト曝露のある方には、国あるいは企業からの補償金や救済金を得られる可能性があります。当院で手術された方の中で、アスベスト曝露による胸膜プラークや石綿小体の所見を認めた方には、補償や救済の申請をお勧めしています。

 

肺癌手術の標準術式は肺葉切除ですが、末梢小型肺癌には区域切除を行います。十分な呼吸機能がない方にも部分切除や区域切除などの縮小手術を行います。

区域切除においては、肺動脈切離後に 血流の有無で区域間を同定しています。

 


術中写真:ロボット支援下手術における蛍光色素(ICG)とFirefly(蛍光)イメージングシステムを用いた区域間同定

 

早期肺癌に対しては、ロボットや胸腔鏡を用いて、低侵襲な手術を施行しています。

局所進行癌に対しては、必要に応じて浸潤臓器の合併切除を行います。他科と連携し、複数臓器にわたる手術も合同で行っています。

肺門部進行癌に対しては、気管支形成や血管形成を行い、根治性を損なうことなく、なるべく肺を残して呼吸機能の温存につとめています。

 


術中写真:大動脈浸潤症例に対しステントグラフト内挿術を行い、大動脈壁合併切除

 


術中写真:上大静脈浸潤症例に対する上大静脈合併切除とウシ心膜パッチ再建

 

呼吸器内科や放射線科と緻密な連携のもとに診断及び治療を行っています。患者様の癌の進行度と全身状態や呼吸状態を総合的に判断し、ベストの手術術式を提案し、個別化治療を行います。術前・術後に薬物療法や放射線治療を行うなど、手術・薬物療法・放射線治療の三つの治療を組み合わせて癌の根治を目指します。

近年薬物療法や放射線治療の成績が向上していますが、これらで癌を根治できずに残存した病変に対する救済手術(いわゆるサルベージ手術)にも対応しています。

また、手術後や薬物療法後に再発した少数の転移再発(いわゆるオリゴ転移)に対し、手術適応となる患者様も増加しています。

 

転移性肺腫瘍

他臓器の腫瘍が肺に転移した場合、転移数が少数であれば肺病変を切除することで予後を延長できる場合があります。化学療法の効果が乏しい場合は、複数回の切除を行うこともあります。末梢病変に対しては部分切除、中枢病変に対しては区域切除や葉切除を行います。原発性肺癌と同様にロボットや胸腔鏡を用いて、低侵襲な手術を施行しています。

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