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乳腺センター

府中病院 乳腺センターは乳がんの診断治療のみならず乳房再建の観点から患者さんのQOL(生活の質)を考えた専門外来のことです。
乳がん治療において、がんを治すことが一番大切ですが当センターではエビデンスに基づいた標準治療を行い乳房再建をきちんと行っていきたいと考えています。

乳房全摘術後の乳房再建術は、従来から行われている自己の筋肉などによる再建(自家組織移植術)と、人工乳腺(シリコンインプラント)を使用した再建の二通りに分けられます。

平成25年7月から、インプラントの一部が保険で手術できるようになりました。また、平成26年1月からは全てが保険で手術できるようになりました。

乳腺外科外来では、乳腺専門医師が担当いたします。
乳がんは自己検診にて、早期発見が可能ながんでもあります。乳腺のしこりは放置せず、専門外来を受診してください。
超音波検査に加え、高機能マンモグラフィーによる精密検査が可能です。手術では乳房温存手術・センチネルリンパ節ナビゲーション手術・乳房再建術等を乳房再建外科医師と連携し積極的に行っています。

  • ● 日本乳癌学会認定施設
  • ● 日本形成外科学会教育関連施設
  • ● 日本がん治療認定医機構認定研修施設
  • ● インプラント実施施設(一次一期再建、一次二期再建、二次再建)
  • ● エキスパンダー実施施設(一次再建、二次再建)
  • ● 日本形成外科学会乳房増大エキスパンダー及びインプラント実施施設
  • ● マンモグラフィー検診精度管理中央委員会認定マンモグラフィー検診施設

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診療内容

乳房再建外科について

 

 

1.乳房再建とは

乳房再建とは、乳がんの手術によって失われた乳房の形態を、手術によりできるだけ元の形に戻すことを言います。
乳がんの手術をお受けになる患者さんは、手術の前に乳腺外科の担当医に再建についても相談されることをおすすめします。
乳がん手術が終わった後でも乳房再建の手術は可能なことが多いので、もし希望をお持ちでしたら、ぜひ相談してください。

ひとりで思い悩まないで、ぜひ専門医にご相談ください。

 

2.治療法

乳房の再建時期について

乳房再建の時期は乳がんの手術(乳がんを切除する手術)の際に同時に再建も行う一次再建と、乳がんの手術の傷が落ち着いた後に再建を行う二次再建があります。

 ■一次再建


乳がんの手術で、乳房を切除すると同時に再建手術も行う方法

  • 『手術回数が少なく済む』
  • 『乳房の喪失感を経験せずに済む』
  • 『乳がん切除医(乳腺外科医)は、乳房再建外科医(形成外科医)に再建を任せることができるので、心配することなく必要なだけ切除を行うことができる』
    というメリットがあります。
  • 一方で
  • 『乳がんの告知を受けた精神的に不安定な時期に、再建についても考える必要があり、余裕を持って考える時間が少ない』
  • 『患者さんの気持ちとしては、再建された乳房を切除された乳房と比較してしまう傾向があるようです。そのためにせっかく再建された乳房を受入れることができず、不満が残ってしまうことがある』
    などといったデメリットもあります。
     

 ■二次再建


乳がんの手術で、乳房を切除した後に、まずは再建を行わずに傷を落ち着かせ、数ヶ月から場合によっては数年の時間を置いてから再建を行う方法

『乳がんの手術で、乳房を切除した後に、まずは再建を行わずに傷を落ち着かせ、数ヶ月から場合によっては数年の時間を置いてから再建を行う方法』

『乳がんの治療がひと段落ついた頃に行うので、再建手術の必要性や方法をゆっくり考える余裕がある』
『一度乳房を喪失した身体を経験しているために、再建された喜びが大きく、再建された乳房を受け入れやすい傾向がある』
といったメリットがあります。

一方で
『手術回数が一次再建に比べて多くなる』
『乳房の喪失感を経験しなければならない』
『皮膚や皮下組織に拘縮が生じる(固くなってしまう)ために伸展させるのが困難な場合がある』
といったデメリットもあります。

一次再建と二次再建については乳腺外科医(乳腺切除外科医)と形成外科医(乳房再建外科医)が十分に相談して決めることが重要です。
どちらの方法でも、乳房を再建した後、約6カ月から1年経過してから乳頭乳輪の再建を行います。健側の乳頭の一部を移植するか、再建した乳房の一部の組織を使って作成します。乳輪は鼠径部の皮膚を移植したり、医療用の刺青(アートメーク)で色を付けたりすることもできます。

 

乳房の再建方法について

乳房再建の方法には大きく分けて人工乳房(インプラント)による再建自家組織による再建があります。

どちらの再建方法にも組織拡張器(エキスパンダー)を併用する場合と併用しない場合があります。
手術でシリコン製の風船のようなものを胸の筋肉の下に留置します。風船を膨らませることにより、風船の上に乗った皮膚と皮下組織を膨らませた上で、人工乳房に入れ替える方法です。

組織拡張器は、胸の筋肉の下に入れた後(乳がんの手術時に入れると一次手術、その時には入れないで、後日あらためて入れると二次手術ということになります)、1-3週間に1回の割合で、外来で生理食塩水を注入して拡張していきます。適切な大きさまで拡張したら、組織が落ち着くのを待ってからインプラント、または自家組織に入れ替えを行います。

 

 ■人工乳房(インプラント)による再建


インプラントによる再建の一番の利点は、人工物を使用するため体の他の部位に手術の傷あとをつける必要がないということです。

そのために手術時間が短く済み、術後の痛みも少なく、安静期間も自家組織による再建に比べると圧倒的に短く済みます。
最近のシリコンバッグは非常に進歩がみられ、安全性は非常に高くなっています。もちろん人工物ですからときに破損や変形の可能性もありますが、万が一破れても中身が外に漏れ出すことはありません。発がん性なども無いことが確認されています。

 

平成26年1月より、ラウンド型タイプのインプラントに加え、より自然な形とされている、アナトミカル型も保険適用となりました。

 

以下のような問題点があります。

感染 : 人工物は感染に弱いのが欠点です。もし感染を生じてしまった場合は、せっかく入れたインプラントを抜去せざるを得ません。

破損 : 非常に丈夫に作られていますので、破損を心配しながら生活する必要はありません。しかし人工物ですので破損する可能性があります。MRIなどで定期的な検査をおすすめします。

被膜拘縮 : インプラントの周囲には膜ができますが、これが縮んで固くなってしまうことがあります。最近では被膜拘縮に強いインプラントがありますが、完全に予防する方法はありません。

 

 ■自家組織による再建


患者さん自身の身体の一部分を胸に移植する方法です。

自家組織の移植法としては、腋から背中へ広がっている広背筋を用いる広背筋皮弁術、みぞおちから恥骨の部分に存在する腹直筋を用いる腹直筋皮弁術の2つが代表的な方法です。
この手術法の利点は筋肉や脂肪といったもともと自分の身体の組織で再建するため、一度生着すると柔らかく、質感に優れた乳房が期待できます。しかし、他の部位から組織が移植されるため、胸と他の部位に傷あとが残ってしまいます。

1)広背筋皮弁による乳房再建

将来妊娠出産の予定があるためお腹に傷をつけたくない場合、すでに腹部に手術の傷あとがあるため、血流の問題から腹直筋皮弁が使用できない場合などは、広背筋皮弁が選択されます。

 

腋窩のリンパ節廓清時に広背筋皮弁を栄養している血管がなくなった場合には、広背筋皮弁は選択できません。

また腹直筋と比べて、ボリュームが小さいために大きな胸は作りにくいことが多いとされています。

リスクとしては、皮弁の血流の問題で、一部や最悪の場合にはすべてが壊死に陥る(腐ってしまう)ことや、背部の採取部に浸出液(汁)が溜まることがあります。

2)腹直筋皮弁による乳房再建

定型的乳房切断術後で広い組織欠損がある場合、もう一方の乳房が大きく、大きな乳房をつくる必要がある場合などは腹直筋皮弁が選択されます。

将来妊娠出産の予定のある場合や腹部に手術の傷あとがある場合などは選択できません。

リスクとしては、まれに血流が悪く、一部や最悪の場合には全てが壊死に陥ることがあります。まれにヘルニア(脱腸)になることがあります。術後しばらくは下腹部を支持するために腹帯やガードルなどの装着が必要です。
この方法はすべての方法の中で最も体力的な負担が大きく、入院は2週間から4週間必要です。

治療により期待される結果

乳房の再建によって、乳房切除による喪失感や日常生活の不都合が解消されます。精神的苦痛から開放されることによるQOL(Quality Of Life=生活の質)の向上が期待できます。
あなたがこれをお読みになって、乳房再建に興味を持たれたら、ぜひ乳房再建外科医(形成外科医)に相談してください。

3.乳房再建外科(形成外科)での取り組み

府中病院乳腺センターでは、乳房再建を希望されている患者さんへ、乳腺外科と乳房再建外科(形成外科)の、日本乳癌学会専門医と日本形成外科学会専門医による診療に基づくチーム医療を行っています。

乳房再建外科医が乳腺外科医と密接な連携をとることによって、それぞれの患者さんの病態を十分に把握し、適切な再建方法や再建時期を選択することが可能となります。

そして一人でも多くの乳がんの患者さんが、乳房再建によってQOLを向上させることができれば、非常に喜ばしいことです。

いろいろな再建方法の中で、府中病院乳房再建外科では特にインプラントによる再建に力を注いでいます。

そのもっとも大きな理由は、体の他の部分に傷を付ける必要がないからです。それは同時に、術後の痛みの軽減、入院期間の短縮そして早期の社会復帰につながると考えています。

当院乳腺外科で切除術を受けられた患者さんの再建だけでなく、他院で乳がんの切除手術を受けられた患者さんの再建も積極的に受入れています。

乳がんを手術する外科医に比べて形成外科医の数は少なく、乳房再建をこれまで考えたことがなかった患者さんも少なからずおられることでしょう。

  • ・当院乳腺外科で乳がん切除手術を受けられる予定で一次再建を希望される患者さん
  • ・当院乳腺外科で乳がん切除手術を受けられた後の二次再建を希望される患者さん
  • ・他院乳腺外科で乳がん切除手術を受けられた際に組織拡張器を留置されており、インプラントの入れ替えを当院で希望される患者さん
  • ・他院乳腺外科で乳がん切除手術を受けられた後の二次再建を希望される患者さん

など、さまざまなニーズに沿えるように準備しています。
もし乳房再建でお悩みでしたら、ぜひ受診されるようおすすめします。

 

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