理学療法室・作業療法室・言語聴覚療法室
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言語聴覚療法(ST:Speech Therapy)
当院では、主に脳の損傷によって引き起こされる後天的なコミュニケーション障害を対象としています。これには、大脳の損傷によって、ことばの「聴く・話す・読む・書くなど」に障害が及ぶ「失語症」、発声・発語に関係する器官の運動障害による「構音障害」などがあります。その他、「高次脳機能障害」、「接種嚥下機能障害」、「音声障害」も対象としています。これらに対して評価を行い、個々に応じた訓練・指導・助言を行っています。
また、口腔・咽頭癌術後の訓練対応、外来での小児の構音訓練、NICU・GCUでの嚥下機能訓練にも、主治医からの相談に応じて実施しています。
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対象疾患
脳血管障害
- 脳梗塞
- 脳出血
- くも膜下出血
- 脳腫瘍
- 頭部外傷
- 脳炎
- 髄膜炎
- 神経疾患 など
廃用症候群
- 誤嚥性肺炎
- 心筋梗塞
- 心不全増悪
- 大腿骨近位部骨折
- 脊椎椎体骨折 など
その他
- 声帯結節
- 声帯ポリープ
- 口腔・咽頭癌
- 反回神経麻痺
- 機能性構音障害 など
特色
1)急性期病院における言語聴覚士の働きかけの目的としてはまず、情報提供やコミュニケーション手段の確保が挙げられ、症状変化や経過を考慮し、機能障害の改善に取り組んでいます。
2)嚥下機能の評価に際しては、嚥下内視鏡検査(VE)や嚥下造影検査(VF)を含めて耳鼻科医・言語聴覚士・病棟看護師が連携して、実施しています。評価の結果により、主治医と言語聴覚士が相談の上、食形態や摂取方法を決定しています。
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3)嚥下機能が低下している患者に対しては摂食に関する評価シートを作成しています。より安全な食事摂取方法の提案をプライバシーに配慮しながら、病棟スタッフと共有しながら取り組んでいます。
4)摂食機能療法を必要とする患者に対して、看護師と連携し、病棟でも行える訓練内容の立案を行っています。
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5)言語聴覚療法室内で知識向上のために、文献抄読や患者の情報共有や治療方法検討のためのカンファレンス、テーマを決めての勉強会を定期的に行っています。
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新人教育
STでは少人数であることを活かして、新人に対しては個別指導を充実させています。
1)入院患者さんに対しては、一定期間先輩STと共にラウンドし、OJT※で知識や技術などを習得していきます。
自信がなく、慣れていない検査も事前に先輩STと練習することで安心して本番に臨むことができています。
2)院内勉強会にて、医師から指導を受けることができ、科内勉強会でも、新人の希望を考慮に入れつつ専門分野の
勉強会を積極的に行っています。
3)評価・診断・訓練方法について共有しつつ、学会発表を視野に入れた表現方法のスキルアップのために、月1回程度の症例報告会を行っています。
※OJTとは:患者さんへの基本的な関わり方や安全管理の方法、言語聴覚療法の技術指導を様々な臨床現場で行うこと
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